As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
レッスンが始まると、私は隅で見守っていた。
練習なはずなのに、キラキラと輝いていて、尊敬しちゃうや。
私も、もっと頑張らなくちゃ。
「千代ちゃんはさ、今のところどっちが気になる?」
「え?」
休憩途中、拓己くんがいきなりそんなことを言った。
どっちが気になるなんて……
「幼馴染で千代ちゃん一筋の悠太くん。チャラそうに見えて、実は誠実な圭くん」
「どっちかなんて………」
「あ、それとも俺はどうかな?」
「なにそれ。冗談はやめてよ」
「冗談じゃないよ」
「え」
急に真剣な表情に変わる。
「さっ、休憩はそろそろ終わりだね」
直ぐにいつもの余裕のある表情に戻った。
なんだったんだろう
「ねぇ、今拓己くんと何話してたの?」
なんの話と言われても……
「悠太と圭くんの話……かな」
「僕達の?」
あと、拓己くんの意味ありげな言葉。
「……」
私、そんなにモテる要素無いのにな
「む……ほら、誰のこと見てるの。僕のこと見てよ。今目の前にいるのは僕でしょう?」
「ごめん」
「拓己くんになにか言われた?」
「良くわかんない」
「どうせ、拓己くんもさ……」
「あ、ちょっと、水買ってくるね!」
「え、ちょ!」