As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー





また次に起きたのは、何時間後だろう。



さっきよりもまた、少し体が軽い。



何も食べていないせいか、お腹が空いてきた。



かといって、そこまで重いものは食べれなさそうだ。



カチカチと秒針を刻む時計に目をやると、短い針は7時を指していた。



もう夜の7時。



寝疲れた体を起こし、床に足をつけ立ち上がった。



安定した足取りで、階段を降りると、リビングに顔を覗かせた。



奥で録画したテレビを見ている悠太と、キッチンで料理をする悠太のお母さんがいる。



「あら、起きたのね。調子はどう?へいき?」




「うん、大分良くなってきたみたい」




「なら良かった。紗代里さんたちには連絡して置いたから安心して家に泊まっていきなさい」




「……ありがとうございます」



「良いのよ。もう長い付き合いじゃない。そろそろ2人が付き合っても良いんじゃないかなって思ってるのに……ねぇ悠太、まだなの?」




「なっ、何言ってるんだよ!そ、そりゃあ、僕は千代がす、好きだけどさ……」




「もう告白したの?」



ニヤニヤと悪戯な笑みを浮かべる汐音さん。



それとは裏腹に、顔を真っ赤にする悠太。



微笑ましい親子だこと。




「し、したけど、それがなにか!?」




自棄になった悠太は暴露した。




「あら、本当だったのね。なかなかやるじゃないの。ま、ようやくかって所だけど」




「僕なりのタイミングがあったんだよ」




「まぁでも頑張りなさい。どうせ今は千代ちゃんを振り向かせるのに必死なんでしょ?」



「うっ」



告白された当の本人が居るというのに、そんな恥ずかしい話をするなんて、顔から火が出てしまいそうだ。




「っと、病人の千代ちゃんを放っておいちゃ駄目ね」




「あ……」


そこでようやく、私がリビングに降りてきた理由を思い出す。




「お腹空いちゃって……何か食べ物あるかなって」




「そうそう、丁度お粥を用意してたのよ。体調悪いみたいだし、余り喉は通らないでしょう?」



流石だ。


準備が良い。



悠太は、ソファから退くと私のところにやって来た。




「まだ、顔色悪いね……」




「そうかな」




自分だとよく分からない。




「はい、悠太。部屋まで持って行ってあげなさい」




「え、部屋で食べるの?」




「千代ちゃんと二人きりになりたくないの?」




「っ……それは、なりたいに決まってるじゃんか」




「なら……ねぇ?」




「はいはい」



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