As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー





「熱いよね」




そう言って、悠太は蓮華に乗せたお粥をふーふーと冷まし始めた。



なんだか良く紙の上で起こる光景だな、と思ったりする。




「はい、あーん」




「……」




「え、ダメ?」




「ダメじゃ、ないけど」




「ないけど?」





「なんか、恥ずかしいから」





「ならいいよね」




なにがいいんだ。



自分で食べると最初に言ったのに、聞かなかった。




もう止めることは出来ないんだろう。





「はぁ……あーん……。うん、おいひぃ」




味付けもバッチリだ。




結局最後まで、私は食べさせられるはめになった。




美味しかったし、お腹も満たされたから許すけど。




「ねぇ、悠太はどこで寝るつもりなの?まさか一緒に寝るつもりじゃないよね」




「う、それは……」




まさかそのつもりだったのか。




「私、暑いから嫌よ」




真夏だもの。



熱帯夜になるに決まってる。



それなのに密着して寝たら暑いじゃない。




暑くなければ良いのかのいうと、また別の話だけど。




まぁ、何度も一緒に寝てきた身だし、抵抗はないけど……でも、なんだろう。



想像すると少し胸がざわつく。





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