As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
「僕は、床で寝ることにする。それならいいでしょう?」
「それなら……うん、良いよ」
隣にいるだけでも、少し安心するかもしれない。
「よし、じゃあこれ片付けて来るね」
バタンと閉じたドアを確認すると、倒れるように横になった。
良かった、明日はレッスンが入ってなくて。
「おまた……せっ、と」
悠太は布団を部屋まで持ってくると、ベッドの隣に敷いた。
極力ベッドと近いように。
「もし私がベッドから落ちたら、悠太のこと踏み潰しちゃうよ?」
そうしたらこう言った。
「千代が寝相良いの知ってる。ま、たとえ千代が落ちてきても受けとめて抱きしめちゃうから」
「う、うん?」
なんだかよく分からないことを言う悠太。
「とは言っても、まだ寝るには早いよね。眠れないー」
「私も、寝疲れちゃったよ」
「あのさ」
「ん?」
「ドラマの結末、どうなると思う?」
「今のところ、どっちにも脈アリって感じだよね」
「だよね。でも僕は、奏とくっついて欲しいな」
ほんの少しの間を開けて、悠太は再び話し始めた。
「奏の方が美琴のへの想いは絶対に強いと思うし、優しいし、話しやすいし」
「奏って、悠太そのものみたいなキャラだよね」
「そうかな。もしかして、無意識に素が出ちゃってる!?」
どうしよう、と今更なことを言い始めた。
「ううん、そうじゃないよ。元々、あの役は悠太の鏡そのものだよ。奏だけじゃなくて、玲も。だからこそ2人をチョイスしたんじゃないかな」
「そう言われると、そうかもしれない。真琴も千代そっくりだ」
「たまたまだよ。だって私は直接オファーされたわけじゃないもん」
「あ、そっか。流くんから間接的にだっけ」
「うん」