個性派高校生は日常がお好きなようです!
校門の前を歩く生徒達。
千差万別の表情を持つ多数の人。
ある意味集団の様だったが、表情や雰囲気がかなり異なって見えるため、軍隊のようには見えなかった。
しかしその中に、異様な集団があった。
10人の男達が、ボーリングのピンのように並んでいた。しかも、全ての男がマフィアやヤクザを彷彿とさせる振る舞いをしている。
中でも最前にいる男は最も柄が悪く、前を歩く人を威嚇し押しのけ歩く。
自分がルールと言わんばかりだった。
その光景を見ていた青年-小鳥遊神威はさもめんどくさそうに彼らを見ていた。
本来は歩くのに不自由が無い道だが、いかんせん後ろの4人の身体がごつい。道を阻んでいた。
神威は特に何をするでもなく、流れに任せて移動していた。
その時、1人の少女が4列の男達を飛び越して追い抜いた。
集団の長さは約3m、高さは最高2mの障害を、助走なしで飛び越したのだ。
それに唖然としていると、また次のアクションがあった。
「どいてくれませんか?」
淑女をイメージさせる振る舞いの彼女は、男の返答を聞かず、女性らしい腕で彼らをぐらつかせ、堂々と男達の横を通って行った。
そんな2人の少女が前を行く中、ふと腕時計を見ると時間が到着予定よりも遅くなっていた。
神威は流れに逆らわずに歩くことを決めたのだった。