×印彼氏。
お母さんに頼んで頼んで頼み込んで、次のテストで50位以内って言われて、丁度得意な範囲だったから48位で、マネージャー開始。


あのときのバレー部の喜び様は軽くトラウマです。



「あ、乃愛」

「あれ、美海?」



珍しい、と水替え帰りの廊下で出会ったのは、去年のクラスの友達、金崎 美海(カナサキ ミカ)


彼女のクラスは中庭を挟んだ南校舎で、北校舎の私と会うのは珍しかった。

管理棟(校舎を繋ぐ棟)で会うならまだしも……
どうして?と聞くとどうやら彼女と同じ部活の人に会いに来たんだという。



「学園祭でさ、部活の出し物についてで……」

「あぁそっか、もうちょっとだもんね」



学園祭。ここの高校は珍しくて、冬の学園祭というのがちょっと名物になっていた。


今年は雪降るといいね、と笑いながらふと思う。



「…………出し物、決めてない」



学園祭は2日間行われて、初日は学級、次の日は部活の出し物をするという予定だった。

学級ではお客さんに歌を歌ってもらい点数ごとに景品が違う、カラオケ大会を開くということになったんたけど……


「それやばくない?案提出明日だよ?」

「…………今日の部活で決めないと」


生憎顧問の先生は出張で数日間居なく、部活でその話題が出ることはなかった。



美海は「頑張ってね」と言うと同じテニス部の女子に話しかけに行く。



教室の入口で固まる私の頭を、誰かが叩いた。




「どした、ボーっとして」


「良っ……!!学園祭の出し物、どーする!?」



きょとん、と首を傾げた良の表情が、どんどん引きつっていく。




「わ、忘れてた………………!!」




私たちに追い討ちをかけるように、授業5分前のチャイムが鳴り響いた。
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