あなたにキスの花束を
***
店の中を見渡してまず選ぶのは、私が好きだと思う花。
他に判断基準が無いから、そうさせてもらう。
可愛いけれどしっかり存在を主張するガーベラ。
可憐で清楚でフリルのような花びらのスイートピー。
真っ赤な薔薇にはつい目が行くけれど、ピンクだと愛らしい。
凛と辺りを払うような気高い美しさと言えばカサブランカ。
ああ、挙げていくとキリが無い。
何でもいいって、逆に困る注文だよね。
私は救いを求めるように、私の後をついて歩く司さんに振り向く。
「ねえ、その人、どんな人なんですか。花束のイメージを決めたいから」
「そうだなあ。ひたすら可愛い人」
「他には?」
「少しおっちょこちょいかな」
「他には?」
「明るくて優しくて、笑顔がとても眩しい人」
店の中を見渡してまず選ぶのは、私が好きだと思う花。
他に判断基準が無いから、そうさせてもらう。
可愛いけれどしっかり存在を主張するガーベラ。
可憐で清楚でフリルのような花びらのスイートピー。
真っ赤な薔薇にはつい目が行くけれど、ピンクだと愛らしい。
凛と辺りを払うような気高い美しさと言えばカサブランカ。
ああ、挙げていくとキリが無い。
何でもいいって、逆に困る注文だよね。
私は救いを求めるように、私の後をついて歩く司さんに振り向く。
「ねえ、その人、どんな人なんですか。花束のイメージを決めたいから」
「そうだなあ。ひたすら可愛い人」
「他には?」
「少しおっちょこちょいかな」
「他には?」
「明るくて優しくて、笑顔がとても眩しい人」