あなたにキスの花束を
私自身が目について綺麗だな、と思うものを選んでいるだけだから、例えば花束を作るセオリーや決まりがあるとしたら、そんなものからはきっと大きく逸脱してしまっているだろうけれど。
こうして司さんと一緒に花を選ぶ愉しさも、伝わる花束になるといい。
「薔薇は赤が定番だけど、司さんが持ってるとキマり過ぎて嫌味かも」
「褒めるのかけなすのかはっきりしてよ」
「褒めてるんですよ。合コンでもモテまくってて、私の事なんか見向きもしてなかったじゃないですか」
「俺さ、楽しみは後に取っておくタイプなんだ。だから今、こうして君と喋って味わってる」
「ショートケーキの天辺の苺も最後まで取っておくタイプ?」
「もちろん」
君は苺なんだよ、なんてさりげなく言われて片目を瞑られたら、やっぱりときめいてしまうじゃないですかこの罪作りの色男王子め!