答え合わせ



あっ…


南と目が合う。 一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにこっちへやって来た。


フワッと笑みを浮かべて。オレが見たかった顔だ。


ヤバイ、かわいい…


「関くん…。入院だなんて言うから、心配したんだよ? ま、でも元気そうで良かった!」


「お、おう」


たまたま今日は調子が良いだけ…


けど、南に会えたのが今日で良かった。これ以上、心配かけたくねぇし。


「ところで、南はなんでここに?」


とりあえず、話題を変えなきゃ。うっかり喋っちまうかもしれないし…


「あ、そうそう。お母さんがここで働いててね? 仕事終わったら、家族でごはんに行くんだ! 」


「そっか。楽しみだな!」


精いっぱいの笑顔で返す。けど…、オレの心は笑ってなくて。


「ありがと! じゃ、あたしお母さん探すから!」


「あっ、待てよ!」


気付けば、南の腕を掴んでいた。











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