答え合わせ



「分かった…! ありがとう」


「うん。このこと、お父さんとおかあさんに言うといいよ。ケンカはダメだってね」


「そうする。…わー、夕焼け、キレイだね」


「え…? ああ、キレイだね…!」


オレンジ色一色に染まった空を見上げる。空って、こんなにも広いんだね…


どこまでも、どこまでも続く空を見上げてると、いつの間にか悲しみや不安は消えていた。もちろん、この男の子のおかげ。


心地よい風に、髪がなびくのを感じてると、いつの間にか笑顔になっていた。


「あっ…笑顔になってる! やっぱり笑ってないとね」


幼心ながら、彼の笑顔とその言葉にドキドキしたのをよく覚えている。


それがあたしにとって、初恋のはじまりだと知るのはずいぶん先のこと…







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