二人の未知~X'mas短編ストーリー~
*~序章~


「ごめん。


他に、女ができた…


ごめんな、ホントに……」





星の綺麗な夜だった──


秋の夜空の下でまた‥
ひとつの恋が終盤を迎えていた…




「‥わかった。

うん、…いいよ!
そんな謝ることないし…

ホントはさ、感謝してる…

だってダラダラだったじゃんあたし達。

どうなるんだろう? って…思ってたんだ…

だから、ありがと…


終わらせてくれて……」




彼女は冷たい秋風に一瞬、首を縮めて笑顔でそう答えていた。



三年間の付き合いに終止符をつける。


高校時代から、いつもつるんでいた仲間内の一人だった…

なんとなく付き合い始めてなんとなく…身体を重ね

なんとなく…
一緒にいた三年間──


これといった思い出もない…

始めから空気のような存在だった…



彼氏の方はしょっちゅう二股を掛けていた。
そして彼女はそれを知っていても咎めなかった…


お互いの間に重なり合うことのない想いがあった…



そんな二人にやっと打たれた終止符だった──


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