二人の未知~X'mas短編ストーリー~


欲求を満たしたいだけに隣にいた奈美にキスをしたらプリンの味がした‥

「お前プリン食べただろ?」

「うん、‥‥」


「歯、磨いてこいよ‥」



甘いものが苦手な俺の言葉に奈美は歯を磨きにいく


そんなことが度々あった



真冬の寒い中、トオルはドキドキしながら奈美の帰りを待ち続ける


‥遅いなあいつ‥
残業かな?


奈美が帰ってきたらなんて話しを切り出そう‥
真っ先に伝えたい言葉がある‥


トオルは色々と会話を考えながらいつの間にか二時間近くが経過していた‥

さすがに身体の芯が冷えてくる‥


トオルはハァーっと心臓を落ち着けるように深呼吸をした‥


バタン!──

「どうも、送ってくれて有難うございました!」

「え!? それだけ? 冷たいなぁ…上がってお茶でも。なんて誘ってくれよ」


「なに言ってんですか、課長!!」

「ハハ、冗談だよ!じゃあ明日な!」


「はい、お疲れ様でした」



住宅街に響く声に気を取られ、渡り廊下から下を覗くとタクシーから降りた奈美と仲良さ気に語る男の声が聞こえた


‥課長?
会社の上司か?

なんだかすごく気になる…

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