正しい紳士の愛し方
「はい、おみやげ」
樹はソファーに座るとお酒とおつまみが入ったレジ袋をバッと差し出した。
「あぁ……振っちゃダメだよ」
満には“おみやげ”が何なのか見当がついていた。
焦ってレジ袋を取り上げる。
ちょっと中を覗いて「ありがとう」と笑った。
その笑顔が大好き。
彼女の顔を見て元気になりたかった。
「一缶ちょうだい」
渡したはしから樹はお酒をせびった。
「乾杯ぐらいしようよ……」
満は苦笑しながらもレジ袋からビールを一缶渡す。