正しい紳士の愛し方

樹は缶ビール片手向かい側に座る彼女へグイグイ迫った。

「いや……それはアレだよ……」

満は樹の視線からスーッと目を逸らす。


許せないんだ。


彼女の気持ちは分かりやすい。


「ただのラブホじゃなく、有名な三ツ星ホテルってのがいやらしい。“もてなしてますよ”“君は特別ですよ”って言ってるみたいじゃない……」

「樹も特別になりたいんだ?」

「なりたい……」

「告白したらいいのに」

「何度もしてる」
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