正しい紳士の愛し方
『今度の月曜日、よかったら食事でもどうかな?美味しいレストラン見つけたんだけど』
何事も無いかのような食事の誘い。
実際、彼は何も知らないのだから普段通りなのは当然。
自分だけ気持ちがギスギスしているのは不公平な気がして、樹は数秒の間を取る。
「どうしようかな……」
月曜日は店の定休日。
いつもなら食事の誘いも即答なところ。
『先約?なら日を改めるけど』
全く動じる気配がない。
少しぐらい粘ってくれてもいいと思うのですが……。