エリート上司に翻弄されてます!
確かに乾先輩を避けているとは言ったがそこから先はまだ何も伝えていないのに恐ろしい女だ。
小牧は楽しそうに「ほらほら」と、
「男女の拗れって言ったら恋愛でしょ?もしかしてそうなのかなーって」
「私は君が怖いよ」
「で、詳しくは?」
この人私の相談に乗る気ないよね。知りたいだけだ。
だけど理由もなくここへ居座るというのも何か悪いし、何よりも他の人の意見を聞くほか私に出来ることはなかった。
私は昨日の飲み会の出来事から今に至るまでを赤裸々に語った。
そして最後に告白されてキスされたことを伝えると待ってましたと言わんばかりに、
「えー、最後までしなよー。勿体無い」
「何言ってるの小牧さん」
「それより乾さんねー、まぁこれで何で乾さんが深桜を居候させてるのかは納得いくけどさ」
「納得はいくけど……」
でも正直言って、少しだけ怖いと思った。
乾先輩はただ後輩である私を助けようとして家に置いてくれているものだと思っていたから。
でもそれは私のことが好きだからで、家にいる時も私のことを後輩と思っては見ていなかった。
私の知ってる彼は多分上辺だけで、それを覗いたら全く知らない人なんだろう。
乾先輩が分からない。
「まぁ、お酒のせいもあったし、もしかしたら間違いかも」
「でも飲んでたせいで普段は抑えているものを抑えられなくなったのかもよ?」
「……小牧、これからここに住んでいい?」