エリート上司に翻弄されてます!
「おい、おい!」
「っ……」
はい!、と振り返るとそこに立っていたのは少しご立腹した日高さんだった。
この人は普段からこんな感じだけど。
「何ぼーっとしてんの?コピー機使わないんだったら変わってくんない?」
「は、はい、すみません」
私は慌てて資料をかき集めるとその場を退いた。
そして溜息を吐いてコピー機を使う日高さんを見ていると彼が目だけで私のことを捉える。
「何?なんか用?」
「あ、何も……」
「……アンタまで熱出してんの?」
「へ?」
周りを配慮してか、彼が普段よりも小さめに声を出した。
私はそれが日高さんの優しさだと気が付くと首を横に振った。
「そんなことは、ないんですけど……」
「あっそ」
「……」
「まだ何か?」
高速でコピーを取っていく彼の手さばきを見つめながら、私は「あの、」と、
「先輩の様子とかって」