エリート上司に翻弄されてます!
そんな結論を聞くかのような質問をしてきた。
どうなりたい……
「恋人は嫌なんでしょ?」
「……」
「て、何で俺がこんなこと……」
日高さんは私から目線を外すと小さな声で何かを呟いていた。
物凄く私を貶すような言葉が聞こえてくるが気のせいだろうか。
ただ今まで通り乾先輩と一緒にいたい。
家に帰ってきた乾先輩を宥めて、作ったご飯を食べてもらって。
たまに上司と部下という関係で、たまに飼い主とペットで、
「……前の」
「前っていつ」
「……何もなかった、頃みたいに」
そうだ、あれは例えるなら……
「兄妹……」
「……は?」
「きょ、兄妹です!あ、よく周りの人とかに言われてて、兄妹みたいに仲良いねって。まぁあんなナルシストな兄は嫌なんですけど!」
「……」
やはりいきなり兄妹と言われてもちゃんと理解出来ないのか、日高さんは首を傾げてばかりだった。