エリート上司に翻弄されてます!




そんな結論を聞くかのような質問をしてきた。

どうなりたい……


「恋人は嫌なんでしょ?」

「……」

「て、何で俺がこんなこと……」


日高さんは私から目線を外すと小さな声で何かを呟いていた。
物凄く私を貶すような言葉が聞こえてくるが気のせいだろうか。

ただ今まで通り乾先輩と一緒にいたい。
家に帰ってきた乾先輩を宥めて、作ったご飯を食べてもらって。

たまに上司と部下という関係で、たまに飼い主とペットで、


「……前の」

「前っていつ」

「……何もなかった、頃みたいに」


そうだ、あれは例えるなら……


「兄妹……」

「……は?」

「きょ、兄妹です!あ、よく周りの人とかに言われてて、兄妹みたいに仲良いねって。まぁあんなナルシストな兄は嫌なんですけど!」

「……」


やはりいきなり兄妹と言われてもちゃんと理解出来ないのか、日高さんは首を傾げてばかりだった。




< 185 / 343 >

この作品をシェア

pagetop