エリート上司に翻弄されてます!
そう言えば水川先輩も賛同するように「確かにな」と頷いた。
乾先輩は「あのな、俺の弟は世界で1番幸せな弟なんだからな」と怒ったように口を開く。
だから、私ももう忘れるんだ。
彼が言ってくれたことをなかったことにするんだ。
そうしたら私が望んでいたことになるはずなんだ。
上司と部下という関係で乾先輩と一緒に居られる。
楽しかったあの頃に戻れる。
今、自然と笑えてるんだもん。
「弟さんは言ってないだけで凄く苦労してると思いますよ?」
「……」
私が笑いながらそう言うと「そうかな……」と彼がい呟いた。
それから彼は昼食もハーレムと一緒だった。
食堂で彼が女子社員に囲まれているところを見ることが多くなる。
何もかもが元どおり。
それに今まで一緒にいなかったのは私のせいだっていう確信はなかったんだけど。
「結局そんな結末になったのね」
「……」
取り敢えず私と乾先輩の話は収束したように思えた。
「えー、付き合うかと思った」
「だから前から先輩とはそういうんじゃないって言ってたじゃん」
「そうだけど、付き合ったら面白かったのになって」