エリート上司に翻弄されてます!





容易にこの人を褒めないほうがいいと思うのは私だけだろうか。
乾先輩は私たちの前で格好つけたポーズを取るとふっと笑う。

すると課長がそんな彼に呆れたように、


「おい馬鹿犬、早くこっち来い」

「先輩呼ばれてますよ」

「え、馬鹿犬って俺のこと?」


ピッタリじゃないかとその場にいた人が全員笑った。
乾先輩はしゅんと肩を落としたまま課長の方へと向かう。

それにしても乾先輩がそんなに気合入れてる会議って今日だっけ。


「そろそろ行くぞ、毎回向こうの会社はスケジュール詰め詰めなんだからな」

「天下のアースデイですもんね」

「お前のプレゼン能力に賭けるぞ」

「俺の魅力についてのプレゼンだったら全力を出せるのに」

「そんなのは何処にも無い」


アースデイ?乾先輩、今アースデイって言った?
私はそれを耳にすると慌ててゴミ箱に放った付箋を拾い中を見る。

そしてそこに書かれていたことに目を見張ると立ち上がった。


「あ、あの!」


課長と乾先輩のところに行くと2人の視線が私に向く。





< 205 / 343 >

この作品をシェア

pagetop