エリート上司に翻弄されてます!
容易にこの人を褒めないほうがいいと思うのは私だけだろうか。
乾先輩は私たちの前で格好つけたポーズを取るとふっと笑う。
すると課長がそんな彼に呆れたように、
「おい馬鹿犬、早くこっち来い」
「先輩呼ばれてますよ」
「え、馬鹿犬って俺のこと?」
ピッタリじゃないかとその場にいた人が全員笑った。
乾先輩はしゅんと肩を落としたまま課長の方へと向かう。
それにしても乾先輩がそんなに気合入れてる会議って今日だっけ。
「そろそろ行くぞ、毎回向こうの会社はスケジュール詰め詰めなんだからな」
「天下のアースデイですもんね」
「お前のプレゼン能力に賭けるぞ」
「俺の魅力についてのプレゼンだったら全力を出せるのに」
「そんなのは何処にも無い」
アースデイ?乾先輩、今アースデイって言った?
私はそれを耳にすると慌ててゴミ箱に放った付箋を拾い中を見る。
そしてそこに書かれていたことに目を見張ると立ち上がった。
「あ、あの!」
課長と乾先輩のところに行くと2人の視線が私に向く。