エリート上司に翻弄されてます!
だけどこの小さな仕事が大きな仕事を作ってるんだ。
乾先輩がいつも背負ってる責任感が一気にのしかかってきた。
「じゃあやっぱり今日しか無いな」
そう言ったのは乾先輩だった。
「大人数で押しかけるのもアレだし俺が行きます。あとは綾瀬」
「っ……」
「取り敢えずこの2人で行って何とか話を聞いてもらいます」
すると課長は「相手方のスケジュールは詰まってんだろ」と発言する。
「まだ分からないじゃないですか。取り敢えず行ってみるしかないです。無理矢理にでも時間空けてもらう」
「そんな、無茶だぞ」
「無茶でも、やれることはやりましょう」
だから、彼は私の近付くと、
「諦めんな、行くよ」
彼の言葉に涙ぐんでいた私はそれを引っ込めて「はい!」と返事をした。
乾先輩に引っ張られるように会社を出るとそのままタクシーを捕まえた。
彼は中に入るなり持っていた資料のファイルを開く。
彼が今日使う予定だったものだ。
「あの、本当にすみませんでした……私」