エリート上司に翻弄されてます!
何て謝ればいいか、と言うと彼が「今はいいよ」と、
「謝り方を考えるより日高が言ったようにどう乗り切るか考えよう」
「っ……」
「大丈夫だよ、今回のプレゼン内容は全部頭の中に入ってる。余分なところを削れば数十分で説明出来るし、実質興味を引ければ万々歳だよ」
それにしても日高もいいこと言うよな、と彼は隣でクスクスと笑った。
私が未だに不安そうな顔をしていると彼はそんな私に微笑みかける。
「深桜ちゃん、俺が何とかしてあげるよ」
「……先輩」
「俺に出来ないことはないよ」
いつもはウザいと思っている彼の自意識過剰な台詞だけど、今だけは誰のどんな言葉よりも私を救ってくれた。
彼は「任せなさい」と言うと私の頭を撫でた。
私、この人の努力を無駄にしちゃ駄目だ。
この人だけじゃない、あそこで働いている人全員の努力を。
私はこの会社の一員なんだ。
今私に出来るのはこのミスを謝罪して、そして次へと繋げることだ。
アースデイに着くと受付に問い合わせてみた。
しかし聞かされる話は電話で聞いたのと同じものだった。
「どうしても駄目ですか?少しだけでもいいんです!」
「そうは言われても……今は会議中なので何とも」
「こちら側の都合を押し付けて申し訳ないと思うのですが……」