エリート上司に翻弄されてます!
私たちは会議室に到着するとその前で待たせていただくことに。
会議の終わる時間が近付くほどに私の緊張が増す。
「大丈夫、俺は1回会ったことあるから」
「……」
「全力で謝罪しよう」
協力して?、と言う彼にうんうんと頷いた。
会議室から人が出てくると乾先輩が筆頭として話し掛ける。
私は一体誰がその人なのか分からず、初めは彼のことを眺めるばかりだった。
「すみません、少しだけ時間をいただけませんか?」
「そうは言ってもね、他の社員もいない人がいるから」
「いらっしゃる方だけでいいので、お願いします」
見るからにお偉いさんだと感じる男性に彼は全く相手にされていないように思えた。
私はその人の前に出ると頭を下げる。
「この度は私の間違いでご迷惑をおかけしました!どうか、お話を聞いてもらえませんか!」
「……」
怖い、怖いけど。
だけどこれは私が引き起こしてしまったことだから、責任を取らなきゃいけない。
私のような若い女性が深く頭を下げてしまったからか、彼が一瞬たじろぐのが見えた。
しかしそれは直ぐにため息に変わる。
「そうは言ってもだが、今から次の会議の準備もあるんだ」
「っ……」