エリート上司に翻弄されてます!
「特別にアドバイスしてやる。直ぐに忘れろ」
「忘れる?」
「長引くほど忘れられなくなるよ」
真剣に見つめられて気まずくなり目線を外す。
こんな至近距離で日高さんと見つめ合うなんて初めてだ。
それに忘れるったって、今気が付いたばかりなのに。
「じゃ、じゃあどうすれば……」
「……俺にしたら?」
「……」
え?
「俺にしたらいいのに」
「え、は?」
「あの人を好きだから泣くんでしょ?だったらやめて俺にしたらいいんだよ。俺とだったらアンタも相性いいかもよ」
日高さんの言葉に頭中にハテナが飛び交った。
そ、それって日高さんのことを好きになったらいいってことだよね?
何でそんなこと……
「そ、それって」
「なに」
「日高さんが私のこと好きみたいですよ」
絶対そんなことないんだろうけど。
そう続けようとする前に目の前にいた乾さんが口を開いた。
「そうなんじゃない?」
「……」
え、
「え?」
えぇ!?