エリート上司に翻弄されてます!
「俺の前では言葉に気を付けたほうがいいよ」
乾先輩の言っている意味が分からない。
背の高い彼からの圧迫感に耐えられず、私の視線はずっと下にあった。
何で寂しいのかって、そんなの乾先輩に会えなくなるからしか理由がない。
乾先輩のことが好きだからという答えしか見つからない。
でもこんなこと彼に言えるわけがない。
「質問に答えて」
「……」
そんな時頭に浮かんだのは彼女の顔だった。
「……桐乃さんが」
「は?」
「桐乃さんが、寂しくなると思って」
先輩と離れると、と告げると彼からの視線が更に厳しくなった。
「何で今アイツの名前が出てくんの?関係ないよね?」
「関係なくないです!だって付き合ってるんですよね?」
「……それも初耳だけど」
「え!?」
だってこの前の社員旅行で、電話越しに彼女に好きって言ってた。
「俺と桐乃が付き合ってるって、どういうこと?」