エリート上司に翻弄されてます!




「俺の前では言葉に気を付けたほうがいいよ」


乾先輩の言っている意味が分からない。
背の高い彼からの圧迫感に耐えられず、私の視線はずっと下にあった。

何で寂しいのかって、そんなの乾先輩に会えなくなるからしか理由がない。
乾先輩のことが好きだからという答えしか見つからない。

でもこんなこと彼に言えるわけがない。


「質問に答えて」

「……」


そんな時頭に浮かんだのは彼女の顔だった。


「……桐乃さんが」

「は?」

「桐乃さんが、寂しくなると思って」


先輩と離れると、と告げると彼からの視線が更に厳しくなった。


「何で今アイツの名前が出てくんの?関係ないよね?」

「関係なくないです!だって付き合ってるんですよね?」

「……それも初耳だけど」

「え!?」


だってこの前の社員旅行で、電話越しに彼女に好きって言ってた。


「俺と桐乃が付き合ってるって、どういうこと?」



< 263 / 343 >

この作品をシェア

pagetop