エリート上司に翻弄されてます!
「先輩、起きないと遅刻しますよ」
「無理ー、今日は休みます」
「大学じゃないんだから。朝御飯できてますし起きて?」
「んー、深桜ちゃんがちゅーしてくれたら起きる」
「するか!」
すると彼は「俺の顔が美しすぎてビビっているのか?可愛いやつだな」と声を漏らす。
その顔面に殴りを入れても多分私怒られない。
私は彼の胸を押すとなんとか腕から逃れることができた。
すると彼も観念したように体を起こす。
「深桜ちゃんのケチ」
「ご褒美とは頑張った人にあげるものです。先輩はまだ何もやってないじゃないですか」
そんな人にはあげません、と言うと彼は肩をすくめてみせた。
なんだその表情は、苛々するな。
そしてベッドの側に置いてあった鏡を手に取ると自分の顔を覗き込んだ。
「ふっ、今日も罪な美しさだぜ」
「朝御飯抜きでいいですか」
「それは無理!」
私は先輩を置いて寝室を出ようとするとそんな私の肩に彼の腕を乗っかる。
振り返るとそんな私のことをニコニコと微笑んで覗き込んでいた。
この顔をしたら何でも許されると思ってる。
実際にそうなんだけど。
私はそんな彼を連れて寝室から出るとリビングで朝御飯の準備をする。