エリート上司に翻弄されてます!
だから今まで私には男性と出会う機会とか無かったの?
ていうか威嚇って、本当の犬じゃあるまいし。
「だって折角付き合えたのに秘密って……」
「……」
子供か。
「でも朝約束してくれましたよね?それを破られてショックです。先輩のこと嫌いになりそう」
「え、嫌いになんの!?」
"嫌い"という言葉を出した途端、彼は目を見開いて表情を歪めた。
まるで大型犬が耳を垂れさせてしゅーんと落ち込んでいるようだ。
そんな彼の様子に私は「うっ」と息を呑んだ。
ここまで来て私は彼に甘いのか。
「深桜ちゃん、ごめん。もう深桜ちゃんの嫌がることしないから許して?」
「っ……」
こ、この人は本当にっ……自分がどうしたら許してもらえるか絶対分かって言ってるでしょ。
「わ、分かりましたから。もう怒ってません」
「ほんと?」
「その代わり自分が言ったことには責任を持つこと。それからこれ以上は変なこと言わないでください。先輩の発言ってここだと結構影響大きいんですから」
「うん、分かった!」
よし、今分かったって言ったな?聞いたからね私。