エリート上司に翻弄されてます!
「何それ惚気?」
呆れたように言う小牧に「違うよ!」と声を挙げる。
「小牧がどんな感じって言ったから教えたんじゃん!」
「いやー、思ったよりもイチャイチャしてるし」
「そ、れは……」
何とも言えないですが、と私の声は小さくなっていく。
安定の小牧との昼食タイム。最近の話題は勿論乾先輩との話だ。
「まぁやっとあれから数週間経ってようやく会社も落ち着いたよね。噂が出回った時は何人の女性社員が辞めるかと思ったけど」
「そ、そうだったね。私も何度か闇討ちに遭いそうだったしね」
知らない人から話しかけられて人気のないところに連れ込まれ、そして文句をうんざりというぐらいまで聞かされる。
まだ暴力に出られることが無かったのは本当に良かったのかもしれない。
「でも乾さんのおかげでそれもなくなったんだっけ?」
「らしいけど、私何をしたのか聞いてないんだよね」
というよりも教えてもらおうって思ったけど全然口を割ってくれなかった。
だけどその日以来パッタリとそういう呼び出しだとかがなくなったから相当なことだとは思う。
あの人、本当にどんな恐ろしいことを言ったんだろう。
「それで?今は引っ越して一緒に暮らしてるんだっけ?」
「……」