エリート上司に翻弄されてます!
「恥ずかしがらなくてもいいって」
「いや、恥ずかしがってるっていうか……知らないから」
「知らないって?」
「……」
「……まさか」
彼女は驚いた表情で口元を手で覆う。
「だって聞いてる話じゃメチャクチャ積極的なんだよね?」
「積極的っていうか、甘えたっていうか」
「じゃあいつもキス止まりなの?」
「……そう、かな」
乾先輩はよく私にキスすることはあっても夜にそういう雰囲気になることは今までに無かった。
それに私たちは夜違う寝室で寝ているから、と告げると小牧は更に驚いたようだ。
「え!?何で!?」
「何でって、先輩が私の部屋作ってくれて」
「一緒に寝ようとか言いそうな人なのにね」
「……」
それは確かに私も思った。
別に期待をしていたわけではないけどてっきりそうなんだと思っていたから。
私もそこまでまだ心の準備ができていなかったからその気遣いにはとても助かったけど。
自分の気持ちを落ち着かせていると再び小牧が私に尋ねる。