エリート上司に翻弄されてます!
その言葉に私は思わずラーメンを吹き出してしまった。
彼は「美しくない」と言ってナフキンで私の口元を吹く。
え?え?
「な、何で知って……」
「いや分かるよ、いつもより全然メイク濃いし、全体的に気合入ってんじゃん」
「っ……」
「それに朝から服選びに慌ててたからねー」
「お、起きてたんですか?」
「起きるよ、あんだけ騒がしいと」
じゃ、じゃあ先輩は初めから全部知ってて残業を手伝ってくれたのだろうか。
何で申し訳のないことをしてしまったんだと私はたらたらと汗を掻き始めた。
「あ、あの……結局行かなくてごめんなさい」
「いいよいいよ、結果オーライ」
「え?」
「ううん、こっちの話」
乾先輩は笑ってそのことを誤魔化した。
「で、あんだけ言ってたのに結局欲しいんじゃん、彼氏」
「……」
私はその言葉に手を置くとそれを膝の上に持ってくる。