エリート上司に翻弄されてます!
乾先輩は基本的に洋食が好きだ。
だから今日の夕御飯はコロッケでも作ってあげようと思う。
と言ってもコロッケは冷凍だけど。
「(ごめんね、先輩……)」
後は彼に今回のことをしっかり釘刺しておかないと。
誰にも見られてなかったから良かったものの、あんな光景は誤解されやすい。
職場の皆にも勘付かせたくない。
私の命のためにも。
乾先輩だって、私とそう言う噂流されるの嫌がるだろうし。
もしかしたらそれを覚悟で私をここに置いてくれているのかも。
そこまで考えてあの人がそんなところまで考えてくれているのかが引っ掛かった。
あの人のことだからどっちにでも取れるけど。
「だから面倒なんだよな」
そう呟いた時、インターホンが鳴る。
あれ、乾先輩帰ってくるの早いなぁ。今日遅くなるって言ってたのに。
早めに仕事が終わったのかもしれない。
いつも鍵持っているからそれで入ってきてって言ってるのに、何度言っても言うこと聞いてくれないな。
私はそのような文句をぶつぶつと零しながら手を拭いて玄関へと向かった。
「だから鍵で入ってきてくださいって言ってるじゃないですか!」
と勢いよくドアを開けてそこにいた人物を見ると思わず固まった。
「え、」