エリート上司に翻弄されてます!
「(まずはそこの誤解を解かないと……)」
私はテーブルにお茶を運ぶと彼と向かい合うようにして座った。
「で、話を聞きたいんだけど」
「……」
日高さんのその目、怖くて苦手だな。
「そ、それより、日高さんはどうして……先輩に用事か何か?」
「……明日の会議で使う資料、乾さん持って帰ってなかったみたいだから届けに来たんだよ」
「あ、でも先輩今日は他社との打ち合わせで遅くなるって言ってたのでまだ帰ってこないかと」
「ふーん、随分仲良いみたいだけど」
「あっ……」
何私図星掘ってんだ!、と自分のことを責める。
その隙に日高さんは優雅に私が入れたお茶を飲む。
日高さんははぁと息を吐いて落ち着くと、
「で、結局付き合ってんの?」
「付き合ってないです!」
「は?一緒に住んでんのバレてんのにまだ言い逃れするの?」
「言い逃れじゃないです!た、確かに一緒に住んでるんですけど、私たち先輩はそういう関係じゃなくて」
「じゃあ何?」
「……」