エリート上司に翻弄されてます!
自分の不幸話を何度もするのは気が引ける。
しかしここでしないと日高さんのは誤解されたままでいつかは会社に知れ渡り、乾先輩のハーレムに目を付けられた私は遂に……
そんな未来の私を救う為、あの日乾先輩に拾われたことを日高さんに話すことになった。
私のあの悲劇を黙って聞いていた彼は頷きもせず、少し困った表情になっていた。
と、
「タダでってアンタ、それ……」
「え?」
「……」
何でもない、と話を聞き終わった日高さんはお茶を全て飲み干していた。
「なるほど、それで?」
「それで、とは……?」
「それで、アンタは俺にどうして欲しいの?」
「っ……」
日高さんの言葉に全身で冷や汗を掻くのを感じた。
こ、この人もしかして私のことを脅すつもりなのか?やっぱり嫌な人にバレてしまった。
私はかしこまった形で恐る恐る告げる。
「あ、いや……会社には黙っていただけたらなと」
「まぁ、付き合ってもない社員同士が1つ屋根の下で住んでるなんて知られたら大変なことになるだろうな」
「そ、それもそうだし私は多分会社の先輩のファンに殺されるでしょう」
「だろうな、確実に」