エリート上司に翻弄されてます!




いい人だと思ったのに、いい人なんだろうけど。
見返りを求めてくるところ日高さんらしいとは思う。

やっぱりこんな人なんだろうなぁ。


「た、たまにランチ奢りますね」

「よし」


日高さんがしっかりと声を出すのはこういう話をしている時だけだ。
きっとこの人、取引とかそういう仕事上手いんだろうなぁって何か思った。

と、その時テーブルの上にある私のスマホが震える。
確認すると乾先輩からの連絡だった。

私は慌ててソファーに座る日高さんに話し掛けた。


「ひ、日高さん大変です!もうすぐ先輩が帰ってくるそうです!早い家出ないと!」

「マジか」


日高さんは慌てて荷物を持つと玄関の方へと移動する。
私はそれを追いかけるようにして、


「あ、あの……黙ってるのよろしくおねがいします!」

「はいはい、アンタも面倒臭いから必要以上に絡んでこないでよ」

「はい、それは、もう」

「何それ、ウザ」

「!?」


初めて男の人にウザいなんて言われてしまった。
密かにショックを受けていると日高さんが振り返って私を見る。




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