そこには、君が







「え!本当?」




「明香、声大きいってば!」




今日は家にいる日じゃないため、


放課後はみんなで寄り道。


だけど、話があると言う


凛に連れられ、トイレに。






「好きな人って、誰?」





「駅前のね、いい感じのお店で働いてる人なの」





いい感じの、お店?





「それって、どういう…?」




「barって言うのかな?お姉ちゃんに連れてってもらってね」





凛には、3つ上と5つ上の姉がいて、


2人ともお洒落で明るい、とてもいい人。





「じゃあ、そこの店員さんなの?」





「そうなの!すごく爽やかで、かっこいい人で…」






トイレで熱弁する凛は、


久々に見た恋する乙女だった。





「長ぇな、お前ら」




「ちょっと女の子の話してて」





まだ言わないと言う凛は、


含み笑いでにやにや。






「どうしたの、凛ちゃん。顔に出てるけど」





「そ、そんなことないよっ?」





ね?と、目で合図してくる凛に、


私も笑顔で返す。


そろそろ打ち明けてもいいかな。


凛に、あの人のこと。






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