そこには、君が
それから数日のこと。
計画が遂行された。
「本当に高校生に見られない?」
「見えないって!大丈夫!」
いつも以上に気合を入れて、
駅前の人ごみの中に紛れ込む。
あれから2人で着々と計画を練り、
凛の希望でお店の中に乗り込むことに。
「でももし、バレたら…」
「そしたら全部、私のせいにしていいから!」
行こう!と、
乗り気な凛に押され、
渋々一緒に店内へ。
「いらっしゃいませ」
外観から雰囲気を漂わせていた、
すごくシックで大人なお店。
入り口のドアを開けると、
チリンチリンと鈴の音が鳴る。
店内にはカウンターがあり、
奥には数か所、丸テーブルと
ソファが置かれている。
案内されることもなく、
適当に自分たちで場所を選ぶシステム。
私は凛に言われるがまま、
カウンターの端に座った。
「どの人?」
「あれ、まだいないのかな?」
時計を見れば、
19時まで後5分。
「お疲れ様で~す」
カウンターの奥から入ってきた、
2人の男の人。
1人は、見る感じ180センチくらいの
長身な人で、髪は明るい茶色。
長さは短髪で、整った顔立ち。
もう1人の男の人は。
「来たっ…」
噂の、凛の好きな人だった。