そこには、君が
さん
徹平との旅行が終わり、
休み明け。
月曜日。
火曜日。
水曜日。
大和が学校に来ていない。
どうして来ないんだろう。
そう思っても、
いつからか話さなくなって、
聞くことすらも出来ない。
一応心配にはなる。
どこで何してるのかなって。
姿をこんなに見ないのは、
いつぶりだろうって。
そう考えていた木曜日。
予想外に、現れた大和は。
どこのクラスか分からない女子が、
たくさん群がっていた。
「や、大和くん…どうしたんだろう」
いつもと違う大和に、
驚きを隠せない陽。
私も、凛も、
同じ感情だった。
「永森〜!待て、お前!」
大和のクラスの担任が、
大和の姿を確認すると
走って来て肩を掴む。
そして大声で怒鳴りながら、
壁に打ち付けるように
制服を強く引っ張る。
「しばらく見ないと思ったら、次は女を周りにつけて、何してんだ!」
「は?関係ねぇだろ」
「なんだその口の聞き方は!大体お前なぁ!
」
口論になる。
廊下は騒ぎになっている様子を、
見物する人で賑わう始末。
「いい加減にしろ!」
「てめぇこそ、触んじゃねぇよ」
大和が先生に掴まれながら、
反抗する姿が、
とてつもなく悲しくて。
久々に会った大和が、
違う人のような気がして。
「大和!」
大和。
大和。
大和。
「やめっ…て!」
無我夢中で大和にしがみつく。
周りにいた女子は、
怖くて近寄って来ない。
男子ですら誰も来ない。
こんなの、
私しか止められない。
「大和っ…!」
「明香…」
私を視界に入れるや否や、
大和の動きが止まり、
先生を制服から手を離した。