そこには、君が




明るめのアッシュに、


くしゅくしゅと遊ばせている髪。


甘めのルックスに、1人目に


負けないくらいの長身。


イケメンスマイルが売り、


とでも言えそうな彼に。





「やっばい、かっこいい」





凛はもうメロメロだった。


まあ確かに、かっこいいとは


思うけど。






「名前聞けないかな?」





「聞いてみればいいじゃん」





「えっ、そんなの恥ずかしい!」






完全に乙女な凛に、


少し戸惑う私。


とりあえず、戦線離脱。





「ちょっとお手洗いに行ってきます」





取り残されることに、


慌てふためく凛を放って、


トイレへの看板に従い店内から


一旦離れることに。





「私、お金持ってきたかな…」






用を済ませ、


洗面台の上で財布を開ける。


こんなお店に来たことのない私は、


何日も前からハラハラ。





「大丈夫かな…」





不安が払拭されないまま、


再び席に戻ろうと、


トイレのドアを開けた。





「おっと…」




「わっ、」





瞬間、何かに受け取られるように、


包み込まれた。






「すいませんっ…」





誰かにぶつかったとすぐに分かると、


私はその人から身を離した。






「大丈夫ですか?」






その人は、まさかの、


凛の好きな人の片割れさん。






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