そこには、君が
そういえば、玄関が気になる。
大和への質問メッセージには、
未だに応答はなかった。
少し早足気味で家に戻ると、
玄関のドアに小さな袋が提げられている。
中を覗くと、真っ赤に熟した苺と、
大和ママからのメッセージが入っていた。
“知り合いから頂きました。お裾分けです”
私は苺が大好きだ。
一目見て、一瞬で気分が上がった。
しかも1人では食べきれないくらいの量がある。
ジャムにでもしようか。
それともパイにしてみようかな。
そのままケーキの上に飾るのもありか。
色々頭でレシピを考えながら、
そのままお礼を言いに行った方が早いと、
袋を持ったまま、大和の家へ向かった。
お礼を言わなきゃ。
なんだか想像して、笑いが込み上げる。
大和が持っていけと言われて、
わざわざ掛けに来たんだろう。
お母さんには敵わない。
そんな所だろうか。