そこには、君が
「もー、気をつけてよ?」
「ごめんごめん」
2人で少し話している間に、
増えていくお客さん。
そして、柴崎さんと片割れさんは、
何やら私たちをチラチラ見ながら、
こっそり話し始めた。
「え、何話してるんだろう…」
「あいつら、邪魔だなとかじゃない?」
「春太さんがそんなこと言うわけないじゃん」
だけど何か言いたそうな2人。
私はそれが気になって仕方ない。
「凛ちゃん」
それから、食事を済ませ、
少しのんびりしていた頃。
柴崎さんは、私たちの前に立った。
「2人とも、ちょっと来てくれるかな?」
「え、私たち…ですか?」
凛だけが呼ばれるならまだしも、
私まで呼ばれるなんて。
え、何。もしかして、何かされるの?
変なことばかりが、頭によぎる。
「とりあえず、来て?」
仕方なく言われるがままに
着いていくと、ドアの上には、
"STAFFONLY"の文字。
「ここ?」
「うん、入って」
怖い気持ちのまま、
中に通されると。
「少し待ってて」
柴崎さんにそう言われ、
凛と2人部屋に取り残された。