そこには、君が
「何?」
「え、分かんない」
思い当たる…としたら。
柴崎さんと凛の進展のため、か。
この人たちはこういう手口で、
女の客を集めてる、か。
お金を巻き上げる、か。
「悪いことしか考えられない」
「私も。本当、怖いんだけど」
どうしよう。
2人で手を握りながら、
部屋の端っこに佇んでいると。
疲れた、と唸りを上げて、
2人が入ってきた。
「さてさて」
長いソファに向かい合って、
腰を下ろす。
重苦しい空気の中、
先に口を開いたのは。
「ちょっと聞くけど」
片割れさんだった。
「2人とも、高校生なの?」
思いがけない質問に、
私と凛は固まった。
顔を見合わせ、
どうするとテレパシーを飛ばす。
「いや、高校生では…」
「本当に違うの?」
「どっからどう見ても高校生…」
「にしか、見えないよね?」
問い詰められ、観念。
凛と2人、首を揃えて下げる。
「すいませんでした」
声を揃えると、
柴崎さんと片割れさんは。
「あっははははっ…」
大声で笑い始めた。
何事か、私と凛は目を丸くする。
「徹、お前怖すぎ」
「何でだよ。お前が何も言わねーからだろ」
2人は笑いながら、
言い合いをしている。
そんな2人をよそに、
凛は困った表情。