そこには、君が
徹平の思いが痛いほど伝わって、
全てを消すのに大分時間がかかった。
思い出の写真はありすぎて、
一枚一枚に色んな出来事がある。
少しずつ消しながら、さよならと心で呟いた。
アドレスと番号もやっとの思いで、
消すことが出来たけど。
最後に届いたメールだけは、
どうしても消すことが出来なかった。
「もしもし、」
『ん』
「今、全部終わったよ」
電話をしろと大和に言われていたので、
仕方なくかけてやる。
すると電話の向こうで、
京也の声も聞こえた。
『明香、早く大和の部屋おいでよ!』
「京也?何かしてるの?」
『うん。ゲーム。久々に3人でしようよ!罰ゲームありで!』
『罰ゲームはお前だけだ明香。覚悟してこい』
楽しそうな声が耳に届いた時には、
腰を上げていた。
大和と京也にはいっぱいお礼を言おう。
そして、メールの真相を、大和に聞こう。
そうと決めたら居ても立っても居られなくて、
大和の家へ急いだ。