そこには、君が
大和の家に着くなり、
2人は対戦ゲームで遊んでいた。
その決着の末の罰ゲームは、
コンビニへの買い出しらしい。
2人はゲームも結構好きで、
昔は休みの度にテレビに向かっていた。
「うーわー!負けた…」
「よし、じゃあ京也いってらっしゃい」
結局少しの差で、
京也が負けて買い出しへ。
仕方ないなという顔をして立ち上がると、
ちゃっかり甘い京也は、私に欲しいものを
尋ねてくれた。
じゃあ行ってくると。
部屋を出たあと、なぜか場の空気が
カチンコチンに凍った。
気まずい。
何から話したらいいのか分からず、
大和の顔すら見れなかった。
「で、報告は」
「あ、うん。えっと…」
空気を壊した大和の一声で、
私は徹平との経緯を話した。
初めて出会ったきっかけ。
告白された事実。
私も気付いたら惹かれていたこと。
想いは本物だったこと。
「きっと夕方には警察へ行ってると思う」
「ん」
ならいい、と。
話を聞いてどうこうも言わず、
ただ経緯を聞いて満足そうに
大和はその場に寝転んだ。
「お前はもう、スッキリしたんだろ?」
「うん。全部言えたし、ちゃんとケジメはついたかなって」
私も同じように隣へ寝転ぶ。
大和の部屋のカーペットは、
ふかふかで、寝心地が抜群にいい。
3人で雑魚寝なんて、
毎度のことだった。
「じゃあもういいよな」
「…へ、」
けど、これは。
初めてのシチュエーション。
「お前さ、」
「なっ、何…」
大和が、寝転んでいる私を覆うように、
隣に腰を下ろすと、両手の間に私を入れた。
いわゆる床ドンってやつか。
「何も思わねえの?」
「何が。何に。え、何?」
動揺しすぎた。