そこには、君が
に
朝の目覚めは、
目覚ましが鳴る前だった。
イベントがある時って、
どうしてこんなにも目覚めがいいのだろう。
「よし、行こう」
久しぶりの長期旅行。
私はキャリーケースを片手に、
手荷物も持って、学校へ向かった。
正確には向かうためにドアを開けた。
ーーーーーーーーーガンッ。
ドアに何かがぶつかった。
私は驚いて動きを止め、
正体を探るため恐る恐る外を覗くと。
「な…んで、」
「おはようだろ」
そこには怒った顔の、大和がいた。
「お、おはよ…」
「何で昨日帰んだよ」
「いやその、準備もあったし…」
まさかの展開すぎて、
固まる私。
何でいるのよ。
「明香ちゃん、おはよう!」
続いて聞こえてきたのは、
大和じゃない男の人の声。
それは大和の向こうから聞こえ、
姿を現したのは大和のお父さん。
「一緒に乗っていきな!荷物重いだろ?」
「あ、大丈夫ですよ、全然…」
大和のお父さんは、明るくて元気で、
活発で優しい。大和とは正反対な人。
少し似ている所は、強引なところ。
「遠慮すんな!ほれ、持ってくぞ!」
「あ、あー…ありがとうございます、」
無理矢理な形で一緒に登校することになった。
隣では、平穏ではない大和が私を見ている。
私は大和の顔が見れず、そっぽを向きながら、
大和のお父さんについて行くことにした。