そこには、君が
「親とか怒んない?俺、事情説明しようか?」
「両親は海外で働いてて家にいないんで、何してても内緒にしてれば平気です」
なんて冗談っぽく言うと。
悪い子かよ、なんて、
軽く頬をつねられた。
「事情って言っても、何て言う気なんですか」
「決まってんだろ。付き合ってますって」
「えっ!付き…」
「ばーか。冗談」
なんて言いながら、
また頬をつねられた。
「今日はありがとうございました」
「どういたしまして」
またお店に行きます。
そう言おうとしてやめた。
行けるわけなんかない。
また迷惑かけるんだから。
「またね」
「…はい?」
「おやすみ」
徹平さんは軽く頭を下げると、
今来た道を引き戻していった。
"またね"の意味は、
何を示しているのか分かんなくて。
だけど、また会える。
そんな気がしていた。