そこには、君が
私の家は、少し複雑。
少し広めのマンションに、
私1人で住んでいる。
両親は健在。
父親の仕事の関係で、
海外で暮らしている。
1人では何も出来ないのを
見兼ねてか、母親も着いていくことに。
私は通訳の仕事に興味があり、
高校を卒業後は両親について行って、
本場で学ぼうとしている。
高校までは日本で卒業した方が
良いだろうと言われ、
家の近くに、お父さんの方の
おじいちゃんとおばあちゃんたちが
住んでるから、と私を1人暮らしにさせた。
だからって特に寂しいとかないし、
むしろ静かで楽。
「行ってきます」
愛犬コーギーの、ロコを撫で、
ローファーに足を入れる。
10月中旬になり、
少し寒くなってきた。
スカートをいつもより短めにし、
玄関のドアを開ける。
すると視界に入ってくる、
見覚えのある女の子。
またか。