そこには、君が
よん
「えええええええええええ!嘘!」
「嘘のような、本当の話です…」
休み明け。
学校に行って1番に凛に報告。
教室だとみんながいるから、と
わざわざ人がいない場所へと連行した。
少し期待していたのか、
呼んだ時には少し凛の頬は緩んでいたけど。
「おめでとうじゃん!誕生日が、記念日?」
「んー…そうなのかな」
間に合った、の一言が蘇る。
確か時間内だったし、
そういうことになるよねきっと。
「いやでも、永森くん必死だったよ」
「え?」
「明香の欲しいもの、何か知らないかって」
やっぱり。
凛が伝えてくれてたんだ。
「永森くん、彼氏になったんだし、大和くんって言おっかな!」
「全然いいと思う。むしろその方が話しやすいし」
あはははは、と。
笑っていたのも束の間。
凛は急に悲しそうな顔をして、
俯いた。
「凛?どうしたの?」
「なんかさ、友だちが嬉しい時って、自分上手くいかないこと多いなって」
凛の言っていることが上手く理解出来ず、
自分の持ち合わせている思考力を
フル回転させた。
嬉しい時というのが私のことだとしたら、
凛は上手くいっていないということだ。
「…何か、あった?」
「聞いてくれる?」
凛は悲しそうに、笑った。
その笑い方が、何とも痛々しくて、
目を背けたくなった。
「最近ね、春太と上手くいってなくて、ね」
「あ…ごめん、知らなくてあの、」
「いやいいの!謝らないで!それはそれだから!」
何も知らない私は浮かれてつい、
自分の話ばかりをしてしまっていた。
それにしても、あんなに仲の良かった凛が、
上手くいっていないなんて信じられないんだけど。
「でも、どうして?何かあったの?」
「うーん、私にも分からないんだけど。春太、最近忙しいみたいで。なかなか会えなくなったのが、きっかけかな…」
異変は、いつも突然だ。