そこには、君が





「んんんっ!ちょ、今は…っ、」





待ってと言っても待たない暴君。


濡れているであろう部分を優しく拭き、


その間ごとにキスを落とす。


止めろと言っても、全く聞かない。







「や、まだ…」






「見せて。全部見たいから」






「じゃっ…電気、」






全てを言う前に察したのか、


大和は私から離れ電気を消しに行く。


真っ暗になった部屋に差し込んだのは、


海に照らされた月と星々の光。


立ちつくす私の後ろから、


優しい光が入っているのが分かる。






「明香」





部屋の入口に立っている大和は、


私を真っ直ぐ見つめる。


優しさと鋭さが一際目立ち、


温まった体から出る湯気が


色気を演出していた。






「好きだ」





涙が出そうだった。


きっともうすぐ溢れるんだろう。


だって、鼻の奥が痛い。






「私も…、」





もう言葉にならない。


この人の愛しさに今まで気付けなかった私が


1番憎い。







「おいで」





私はそう言う大和の元へ、


即座に歩み寄った。


手を掴むと、


隠していたタオルに手をかけられる。







「見せて」





「…でも、」





「全部見たい」






こんなこと初めてな私にとって、


全部を委ねるのはハードルが高い。


そう思いながらも、


真剣な眼差しには抵抗出来ず、


掴んでいたタオルの裾を大和に渡す。







「あんまり、ジロジロ見ないで…ね」






「無理」






そう言った私の言葉はフル無視。


大和は私の胸を見つめると、


静かに自分の手を添えて。







「可愛い」





そう言った。


胸の何が可愛いのかなんて、


全くもって分からないけど。







「やだ…」






「先に謝っとくわ」






「え?」






大和は空いた手で私の腰を自分に寄せると、


間近でごめんと言い。







「怖かったら、言えな」






「あっ…んんっ、やま、…と、」







キスの嵐で言葉を失い、


同時に大和の手によって触れられる胸の


先端が異様に反応する。


時に摘み、時に撫で、


弄ばれている膨らみはもう快楽の絶頂だった。




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