そこには、君が






「いっ…た、っ」





痛いと思った。


大和に触れられながら、


頭がおかしくなるかと思った。


痺れる感覚が、一点に集中する。


電気が走ったみたいに、


ピリッとした痛みと、


変な気持ちよさが纏わりつく。






「明香、キツいか?」






優しく名前を呼ばれただけでも、


変になりそうだ。







「大丈夫…っ、ん、」






「可愛い」





大和の吐息が肌に触れ、


その度に腰が上がる。






「私ばっかり…じゃ、やだ」






初めの痛みはとっくに無くなり、


気付けば体を捩るほど声が漏れる。


でも、私ばっかり愛してもらって、


不公平だ。






「私もっ…するっ、」






漫画はたくさん読んできた。


ベッドシーンも数々見てきた。


知識しかないけれど、


私にだってできる事はある。







「可愛いこと言うなばか」





私が必死に伸ばした手を


大和が掴むと、


そのまま一緒に触れてくれる。


同時に動く手によって、


大和の顔が快楽に歪んでいく。


それが何ともたまんなくて、


もう限界だった。







「気持ちい…?」





そう聞くと少し笑って、


私に触れる手を激しく動かした。


まるで問いに答えるかのように、


私の気持ちの良い所を優しく弄る。







「んんんっ…あ、大和、もう、だめっ…!」






何だか急に変な感覚になって、


何かが込み上げてきて、


溢れそうになって。


初めての感覚でおかしくなったのかなって、


全部全部狂ってしまいそうで怖くなった。






「俺も限界。明香、」





大和は私の顔を見ながら、


そばに用意していた避妊具を開ける。


大和の全てが私に見えていて、


もうそれがときめかせて止まない。







「怖いか?」





「ううん、怖くない」






私は両手を広げて大和へ向けた。






「きて、ください…」





「お前まじ犯罪レベル」







好きだ。


そう呟いて大和は、


私と1つになった。


同じように動くリズムに寄って、


電気が走り続けた。


もう声が抑えられない。


気持ちも止まらない。


痛いのか何なのかも分からない。


私が大和でいっぱいで、苦しい。






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