そこには、君が





『京也に、告白され…た、』





「…っえ!本当!」






その瞬間、大和を見ると、


どうやら知っていた様子で、


特に何の反応も無し。







『何これ、夢?ドッキリ?』





「一旦落ち着いて。返事は?」





『ちょっと待って、って…トイレに逃げてきちゃった、』






私は凛の行動が可愛すぎて、


思わず笑ってしまう。


きっと顔を真っ赤にして、


動揺しているんだろう。






「凛、なんて?」





「トイレに逃げて来ちゃったらしい」






横で気にする大和にそう教えると、


少し笑って勝手に電話を耳に充てた。






「凛、あいつはずっとお前のこと気になってたんだと」





なるほど。


今、納得した。


大和、京也が告白するの分かってて、


わざと凛を残したんだ。






「自分の気持ちに素直になればいいけど、京也なら絶対幸せにしてくれる」




そう言った大和は、


凛の言葉を聞いて笑い出す。






「凛、なんて?」





「そんなの分かってるって、怒ってる」






きっと凛も嬉しいはず。


春太さんと別れてから、


結構京也のこと気にしてたし。






「凛、頑張って!」





『…頑張って、くる』





まだ少し不安そうではあったが、


私は電話を切ることにした。


嬉しいことが起きる予感だ。


仲良しが仲良しと付き合うなんて、


こんなに嬉しいことはない。







「京也、焦ってるだろうな」




くくくくっ、と意地の悪い笑いを見せる。


でも確かに。


告白した相手がその場を離れたら、


誰だって不安になるよね。





「今日の夜はお祝いだね」






「用意して待っててやるか」






元々打ち上げがてら集まる予定だったが、


ただの集まりでは収まらなさそうだ。


私たちは帰る支度をすると、


スーパーに寄って大量の食材を買って、


家に帰ることにした。






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